2017年09月06日

世代交代のこと

昨日、橘三郎先生の舞台を拝見してご挨拶に楽屋にお邪魔しました。
梅左芝居の監修をいただいていますので、お礼もかねて伺ったのです。
今月は秀山祭です。歌舞伎の世界も若い人を育てていかなくてはなりませんので、若手の起用が目につき、世代交代が進んでいるという印象でした。
ふと、前進座の制作の林さんがおっしゃった言葉が甦りました。
「内容が通筋の評判が良く役者が受賞するような作品でも興行的に成功しない。若い人の感性で作ったものの方が集客に繋がっているので、考えさせられた」というのです。
また、伝統文化新聞第135号の対談に松竹の我孫子正副社長の言葉がありました。
「古典と新作の二本立ては必要です。先代の猿之助さんのスーパー歌舞伎が無かったら、古典歌舞伎の上演は先細りとなり、ほとんど舞台にかからなくなっていたと思います。新作の収益で古典歌舞伎の正しい継承と発展が可能となったのです。先代の永山武臣会長は、まだ海のものとも山のものとも知れない初期の頃から猿之助さんの信念を支え相談に乗っておられた。先を見抜く、本当に凄い人だったと思います。」要約していますが、おおよそこのようなことで、私はあらためて納得しました。
そして、教える方は、教わる者の技倆に合わせて教える。相手をみて指導するというのです。
肝に銘じたい言葉です。
私が芝居作りで大事にしているひとつに《 時代に迎合する芝居と時代が受け容れる芝居は違う 》ということがあります。




ああ、それにしても、志は高く、いや高すぎて息切れが…無力感に苛まれる公演の後…まだまだ残務が残っているし…人の一生は重き荷を背負っていくがごとし…って徳川家康さまの家訓にありましたが、私の場合、勝手に担いでいるだけなので、降ろした方が喜ぶ人が多いかも…。

horikawa_g at 16:10コメント(0) 

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