2011年09月
2011年09月29日
今月は、たまたま国立劇場大劇場での声明「十牛図」と雅楽「秋庭歌一具」と、上野宗雲院での民俗芸能を守る会の邦楽の夕べを聴く機会があって、贅沢を味わいました。劇場音楽と座敷音楽の違いというのかな。曲想がぜんぜん違います。それぞれの個性があって味わい深く面白いのですよ。私も劇空間ということを念頭において音楽芝居を作っていますから、これは勉強になります。で、あれこれ、妄想が浮かんでくるんですよね。やりたい事が沢山あるなぁ…。今日は一龍斎貞山師匠の独演会のお手伝いです。谷中の全生庵。友人が神保町のらくごカフェで公演。あっ、インドネシアの青年たちに、こんな日本も見てほしかったな。日本人が忘れかけている日本だけど…。
9月27日に井の頭線に渋谷から乗車したのですが、数人のグループの外国人の若者たちが座っていました。とってもハンサムな若者がカメラを手にしていて、それがすごい良いカメラだったので目に止まり彼と目が合いました。すると、すぐに席を譲ってくれたのよね。遠慮したら、レディーファーストだからって、嬉しいこと云うじゃないの。その後、高齢の婦人が乗車すると、また、違う若者が席を譲って、おばはんが乗ると違う若者が席を譲って、と、まぁ次々と席を譲るわけ。優しいよねぇ。で、たどたどしい単語を並べて聞いたのよ。インドネシアから来たんだって。この日は私の?回目の誕生日だったから、とっても素敵なプレゼントを貰ったなぁって嬉しかった。だって、優先席でさえ見ぬフリ知らぬフリの輩が多い世知辛さに慣れてしまった私としては、この優しさは感動ものでしたよ。日本の良い思い出を持って帰国して欲しいなぁ…
2011年09月12日
苦しい時、その苦しさから意識的であろうが無意識であろうが避けようとする傾向があると思う。楽な道を選ばず、苦しさにチャレンジすると達成感は格別のものがある。新作を書くというのは、そうした感じだ。題材選び、構成、資料調べと、あれこれ考えている時は楽しいけれど、いざ机に向かうと気が重たくなる。書くのは好きだが、好きと才能は別で、なんだかんだと理由をつけてはうだつく。さて、そうしてようやくのことに書着始めて、やっと書いたのが女の芝居。女しか登場しない。で、自分ではかなり気にいっていて、だんだんのめり込み始めている。いつもの悪い癖。いい作品の為には採算が考えられなくなるのだ。誰か、プロデュースしてくださる方、いませんか〜。作者とプロデーサーが同じというのは、かなりやばいのであります…。
2011年09月01日
昨日、前進座公演の夢千代日記を観劇してきました。これは吉永小百合主演でNHKでヒットした早坂暁氏の原作。最初はなぜ今またこれを…と思いつつ観劇しました。やっぱり、良い作品は時代を超えるものですねぇ。色褪せないのです。舞台も笑いと人情と美しい風景を描ききっていました。そして、考えさせられます。原爆の平和利用という考え方は正しかったのか。今、被爆国日本が今度は自ら被爆の危険を冒している。もともとエネルギー資源に乏しかった日本が経済成長を遂げるためには安定したエネルギーが必要だったけれども、それは悪魔に魂を売ったのと同じだったのではないのか。便利さの代償はあまりに大きい。ここで目をつぶって口を閉じてしまっては愚かな国民のひとり。迷える羊。
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