2016年03月22日

 早いこと! もう三月も半ばを過ぎてしまいました。先日、篠田桃紅さんの版画展に出かけてきたのですが、素敵でした。「一〇三歳になってわかったこと」などの著書があるので読んでいたのですが、こうして改めて鑑賞すると、その線の描き方に桃紅さんの生き方がみえてくる気がします。桃紅さんは、子供の頃「ヨソはヨソ。ウチはウチ」と云われて育ったそうですが、私もそのように云われて育ちましたから、ああ、私がこの絵に共感するのはそのせいだと思いました。私は舞台を作っていますので、どうも、世界的に著名な美術家と同じだなどと云って顰蹙をかいそうですが、自分もそんな世界を作ってみたい。唯我独尊、独自の色彩と造詣の世界観に共鳴するのです。
 本を読みますと桃紅さんは己の道をまっすぐに生きてこられたようです。私は才能が無いのだから、作品に真摯になってもがき苦しむぐらいはしても良いようなものなのですが、ついつい道草ばかりして「人は人、私は私」と言い訳に使ってしまいます。そこが桃紅さんと決定的に違うところです。同じ「人は人、私は私」ですが、レベルが全然違います。作品への対峙、生き方の覚悟が違います。
 憧れて、その人のようにありたいと願うのも、アリ、だよなぁ…と思いつつ…
 

horikawa_g at 17:26コメント(0)トラックバック(0) 

2016年02月12日

出演して下さった役者さんの関係者として映画監督の篠田正浩監督がいらしてくださいました。監督は古典を現代の視点で描いておられ、私も随分と勉強させていただいています。ご挨拶をさせていただいた時に、その箏をお話させていただきました。よくできていて面白かったとおっしゃってくださったのが本当に嬉しかったです。
私の脚本の師匠である水原明人先生もご夫婦できてくださり、今回はなかなか良かったよ、よくやったね。と、やはり師匠に褒めていただけるのは嬉しいわけで、お世辞はありませんからね。
まあ、いろいろ反省点はありますが、これも一緒に芝居を作って下さった皆様の御蔭です。それで、次回作を楽しみにしていますとの仰せに、ご期待に背いてはならないと、只今、冷や汗を流しているところです。
そして、なんといっても一番は、お客様の声です。だって、忌憚の無い声ですからね。劇場を後にされるお客様の表情に、ホッとします。
いよいよ次回作の演目が決まりました。頑張ります!!

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有り難い事に、国立劇場顧問の織田紘二先生(赤旗しんぶん邦楽評)、演劇評論家の結城雅秀先生(演劇雑誌テアトロ)、もと時事通信ジャーナリストの長沼節夫氏(メディアウオッチ)、両国シティコア社長の川合純氏(シアターX通信)からも暖かい劇評を頂きました。記事の全てをここに掲載したいところですが著作権もありますので、ご好評をいただいたことを皆様にご報告を申し上げます。機会がございましたら記事をご一読いただけましたら幸いです。それから、雑誌の「きらめきプラス」でも舞台のことを取り上げてくださっています。発売はこれからですので宜しくお願い致します。


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2016年01月20日

訃報を聞いた。次々と名舞台が思い浮かんだ。子供の頃に聞いた、ヨヨヨイヨヨヨイ、ヨヨヨイヨイの伝七親分の優しい笑顔と声も懐かしい。
後年、梅之助丈と何度かお話をさせていただく機会があった。いつも私は緊張していたけれど、優しい笑顔をたやさない方だった。
ひとりの役者人生というよりも、戦後の日本の演劇界において大きな存在だった。昭和というひとつの時代が終わろうとしているのだろうか…。お悔やみを申し上げます。



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2016年01月13日

安珍の衣装は、修験者や僧の墨染の衣のように一般的に知られている衣装にはしませんでした。かなりデフォルメしています。この時代は神仏習合ということもあり、また、この時代の着物はまだ日本化されていませんでしたので自由にデザインしてみたのです。
「清姫異聞」での安珍は、奥州の低い身分の出身ということになっていますので袴の色を濃い鼠色にして、あえて全身を墨染めにしませんでした。そして、安珍は修験僧になりましたが都に登って出世をしようとする野心家です。なので、都の権威を紫の鉢巻と後ろ姿の垂れで表現してみました。それと、女性達の衣装とのバランスも考えて、少し華やかな感じも持たせています。黒地に木を幾何学的に配した黄色の柄が入った袖にしました。これはもちろん、龍神池の森をイメージしたものですが黒と黄色という色彩で華やかにしています。帯にも清姫と同じ水色の布をあしらってみました。そうすることで、ふたりの関係を示しています。
数珠がないと陰陽師に見えなくもないので、首に数珠を下げて手にも持たせています。これで祈祷する僧の雰囲気が出ています。
今までの安珍の衣装といえば大抵はお坊さんの墨衣なので、皆様の反応が少し気になりましたが、井上さんは背が高く着映えもしたせいでしょうか、カッコイイとなかなかの評判でした。続きを読む

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清姫の衣装は、清姫の名に相応しく、春の清らかな水と花がイメージされた乙女らしい清純な純潔を表す衣装になっている。
それが、安珍に裏切られて炎のような赤い衣装へと変化するのだ。左右が繋がった振り袖は清姫の執念に見立てられ、巻き付く大蛇となって安珍を追いかける。
やがて、清姫の執念は灼熱地獄へと身を落とし、龍神の怒りによって龍女に化身することになる。
龍女の衣装は清姫の清純と燃えたぎる執念の白と朱赤の片身代わりだ。帯は鱗に見えるような柄の一反の布を用いて光るビーズの刺繍が施されている。片袖には朱色で龍の書が描かれており、髪飾りには水引の飾りを用いて格調高く龍女を表現して存在感を出している。
清姫役の長坂さんは立ち姿が美しいので衣装がよく映えていたが、三度の衣装替えは、たんに美しく見せているだけではなく、それぞれの清姫の性根が表現されているのだ。
ところで、片袖の書は書道家の堀野哲仙先生の書を使わせていただいているので贅沢な衣装になっている。なぜ、片袖に書を用いているか。もちろん、意味があるのですよ。
昔は、恋人と別れる時、自分の身代わりとして片袖をちぎって相手に渡して、無事にまた会えるようにと祈ったのです。そんな恋心を歌った和歌がありますので、探してみてね。
ということで、清姫を捨てて安珍は逃げたわけですが、龍女に化身した姿の片袖には清姫のいじらしい心根が無惨に引き裂かれた意味を持たせているのです。しかも、実は哲仙先生は、袖に書かれた龍という文字のテンを雨の雫、涙に見立てて書いてくださっているのですよ。にもかかわらず、終わった頃にはかなりボロボロ…紙なので、ああ、こればかりは仕方がなく…泣き…。先生、御免なさい。続きを読む

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新春のお慶びを申し上げます。
久しくお目にかかっていないのですが、私も時々、ブログを拝見しているせいか、お会いしているような気がしています。コメント、ありがとうございます。そして、私の演出を好きだと云ってくださって嬉しいです。また、一緒にやりたいですね。今年は、拘りについて、ブログに書いていこうと思っていますので宜しくお願い致します。更新の回数を増やすようにしたいなぁ…。

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年明けの話題にしては、ぞっとしない演目だけれど、今年は拘りについて書こうと決めたので書く事にした。年の瀬に年賀状を書く時間を潰して(ご免なさい)無理しただけの甲斐があった。
国立劇場文芸研究会補綴の四世鶴屋南北の作品。近頃はケレン味に押されてそうした場ばかりが目立つが、今回は発端の場を入れ込むなどの工夫があり、表の忠臣蔵の世界に対して裏の忠臣蔵の世界をくっきりと際立たせている。
染五郎のお岩がいい。毒薬と知らずに有り難いと手を合わせ飲む様子を、染五郎はじっくりと描く。静かな間に細い糸のような緊張が満る。髪を梳く姿にもお岩の情念が滲みて、ぞくっと背筋にくる。この間のとりかたが素晴らしかった。観客が固唾を飲んで見守っている空気が何よりの証だろう。南北が本当に描きたかったのは、忠臣蔵の美談ではなく、その影に沈んでいった人々の哀しみだったのだということがよくわかる。
戯作者の南北は、歌舞伎の常識から外れた特異な存在だったと思う。長い間、周りから認められる事がなかった。生世話を書く南北を理解する人間が少なかったのだ。現実離れした夢の世界ではない、欲望に翻弄される人間達を舞台に登場させたのだから、当時の人はその生々しさに驚いたことだろう。ケレンを取り入れる工夫によって人気を得たとしても、南北は己の描く世界に拘って生きた戯作者だった。だから、東海道四谷怪談は名作になったのだと思う。

horikawa_g at 14:23コメント(0)トラックバック(0) 
今年は1月五日の新春おさらい会、前進座演技部の公演から始まった。
それぞれの役者さん達が日頃の公演の合間に稽古を重ねてきた成果を発表する。無料での公演だから、持ち出しも多いことと思う。僅かな足しにしてもらおうと菓子を購うのを止めて楽屋見舞いを包む。
でも、そんなことは別にして、心意気を感じさせるいい舞台だった。普通のおさらい会は素人さんによる芸の発表会が多いが、プロの役者さん達の会なので、多忙の中で、通常の芝居以外の稽古をするのは大変なことだが、流石にへたな芝居を見るより見応えがある。新春の喜びを十分に味わって帰宅した。

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